2008年10月 鹿児島市電(鹿児島市浜町)

200810

鹿児島の路面電車は、1912年に武之橋~谷山間が開通して幕を開けた。

当時の始発電停に面して、鹿児島市交通局があり、その構内は多くの鉄道遺産にあふれている。

修理工場のレールの一部は、先行開業していた他県の会社から譲り受けたもので1907年製。石造倉庫は1912年築、変電所も1917年に木造から石造に改築され今も利用されている。交通局構内以外にも、脇田電停では開業当時の土留め石積みが確認できる。

また、おはら祭りやスポーツキャンプ歓迎にあわせて走る2両の花電車の台車支柱には「明治四十四年」の製造年が記されている。この車両はかつて西鉄福岡市内線を走っていたもので、博多どんたくの花電車としても活躍していた。

2008年3月、鹿児島駅前~鹿児島中央駅前まで約2.8kmの軌道敷で進められていた芝生緑化工事が完了した。

全国初のな試みは、ヒートアイランド現象や騒音の緩和にとどまらず、新しい都市景観の創出にもつながっている。

1928年に鹿児島市が鹿児島電気軌道㈱から経営を引き継ぎ、現在に至る。営業中の公営路面電車としては最長の営業距離(13.1km)を誇る、現役の産業遺産である。