商工会議所とは

商工会議所は、業種・業態・規模の大小を問わず地区内のすべての商工業者の利益をはかるとともに、地域経済社会の振興・発展や、社会福祉の増進に資することを目的としています。

■ 生い立ち

中世ヨーロッパのギルドが始まり

中世紀のころ、ヨーロッパの人々は、公正な方法でお金を儲けることは神の思し召しにかなうことだという思想と誇りを持って仕事に励みました。さらに人々は組合を作って都市の政治を導き、自分たちの商売の繁栄をはかりました。

この組合をギルドと呼び、後の商工会議所の母体となります。世界初の商工会議所はフランスのマルセイユで誕生しました。日本では「関ケ原の戦い」の頃です。以来、ヨーロッパ大陸諸国には商工会議所が続々と設立されました。

日本で生まれたのは

西南戦争翌年の明治11年、日本が夜明けを迎え文明開化・殖産興業を旗印に歩みを始めた頃に、商工会議所は産声をあげました。東京の渋沢栄一、大阪の五代友厚、神戸の神田兵右衛門という実業界の第一流の人たちがつくりだしたのです。

伊藤博文が走り回ったこんな裏話

幕末の開国に際し諸外国との間に結ばれていた不平等条約を改正しろという声が国の上下に起こり始め、その折衝には内務卿の伊藤博文・大蔵卿の大隈重信らがあたっていました。英国公使パークスに伊藤公らが「条約改正は国民の世論です」というと、パークスは「それはおかしい。国会も商工会議所もない日本が、どこでどのように世論を聞けるのか。そんな便利な方法があるなら教えていただきたい」と詰め寄り、伊藤公らはたじたじ。商工会議所が必要だと考えるようになり、渋沢栄一らが設立を提唱すると全面協力したのです。

鹿児島での誕生は

東京・大阪に続き、翌明治12年には福岡・長崎・熊本と九州にも相次ぎ会議所が設立されましたが、西南戦争の後遺症がまだ深く残る鹿児島では、経済活動も立ち遅れていました。それでも2〜3年の後には、鹿児島城下にも新時代の鼓動が急速に高まり、会議所の誕生を迎えます。中心となったのは山田海三。薩摩藩士の家に生まれ、西郷や福沢諭吉の薫陶を受けた人物です。

現在の名山町の一角で「鹿児島経済の挽回と世論づくり」のために活動を始めた鹿児島商工会議所は、戦火でたたきのめされた地に活気を与えました。商工業者の活躍の基盤として発展を遂げ、今に至っています。

■ 商工会議所の4つの特徴

(1)地域性  地域を基盤としています

(2)総合性  会員はあらゆる業種・業態の商工業者から構成されます

(3)公共性  公益法人として組織や活動などの面で強い公共性を持っています

(4)国際性  世界各国に商工会議所が組織されています

■ 会員とは

鹿児島商工会議所の運営を支え、事業活動の推進力となり、その機能をフルに活用できるのは会員だけです。現在、鹿児島商工会議所には約6,200の会員が登録されています。

(1)会員の権利

会員は3年に一度実施される鹿児島商工会議所議員の選挙権・被選挙権が得られます。選挙権票数はご負担の会費口数に応じて付与されます。

(2)部会への所属

鹿児島商工会議所には業種ごとに9つの部会があり、会員はいずれかの部会に所属します。

部会の意見が商工会議所の意見となり、地方自治体や国の政策に繁栄されます。1人の意見は小さくても、あなたの意見は国会や行政庁を動かす力があるのです。

(3)サービスの利用

会員は鹿児島商工会議所が実施する全てのサービスを無料または安価な料金で利用することができます。

■ 特定商工業者とは

商工会議所の目的は地域経済の総合的な発展を図ることにありますが、それにはまず商工業界の実態を把握することが必要です。そのため一定基準以上の事業所(資本金または払込済出資総額が300万円以上、または、常時使用する従業員数が20人(商業・サービス業は5人)以上)を特定商工業者と定め、その名称や事業内容を商工業者法定台帳に登録するよう商工会議所法(昭和28年法律第143号)で定められています。

商工会議所ではこの台帳を適正に管理するとともに、取引の照会、斡旋などに活用し、その内容は毎年経済産業大臣と県に報告します。また、台帳の作成や管理の経費にあてるため、特定商工業者の方には、経済産業大臣の許可を得て年間2,500円の法定負担金を納入していただいています。

■ 部会

主な業種ごとに部会を置き、各事業の改善や発達をはかります。会員の皆さますべてが、いずれかの部会に所属して情報収集や意見の発信を行っています。部会の意見が商工会議所の意見となり、地方自治体や国の政策に繁栄されます。一人の意見は小さくても、あなたの意見は国会や行政庁を動かす力があるのです。

食品・一次産業部会 商業部会 製造・整備・エネルギー部会 建設・資材部会  観光・飲食・交流部会
 運輸・交通部会  金融・不動産部会  情報・文化部会 総合サービス部会  

■ 委員会

委員会は商工会議所の運営上重要な事項などを調査研究する機関で、当商工会議所には6つの委員会と1つの特別委員会が設置されています。

委員会名 概要

中小企業活性化・税制委員会

地元中小企業の活性化と地域経済の振興を図るため、中小企業施策や中小企業関連税制などをはじめ、中小企業振興に資する諸課題について調査・研究等を行う。
観光振興・交流推進 委員会 観光活性化・国際交流推進等による交流人口の拡大を図るとともに、これらによる経済効果の最大化などについて調査・研究等を行う。併せて、盟約関係先などとの交流推進を図る。

組織拡充・DX推進  委員会

当商工会議所の組織基盤強化や会員サービスの強化を図るとともに、ICTの活用や情報化の推進による会員サービスの拡充などについて調査・研究等を行う。
魅力あるまちづくり委員会

鹿児島市の都市力強化、観光・交流機能の充実を図るため、道路・港湾等の基盤整備や中心市街地活性化、都市計画・再開発、地域振興に必要な施設・機能などについて調査・研究等を行う。併せて、令和4年度に策定した「まちづくりビジョン」の実現に向けた検討を進める。

外貨獲得・地方創生 委員会 地域経済をサステナブルに発展させるため、鹿児島の経済力・競争力を高め、域外から“外貨”を獲得するための地域戦略と方策などについて調査・研究等を行う。
人材確保・人材育成 委員会 少子高齢化や人材の県外流出等による恒常的な人材不足を解消するため、地元企業における多様な人材の確保や次代を担う人材を育成するための方策などについて調査・研究等を行う。
(特別)
台湾・鹿児島・熊本 経済圏推進委員会
2024年、熊本県に台湾資本の企業TSMC(台湾積体電路製造)の工場が新設されるのを機に、台湾と鹿児島・熊本との交流を活性化させるとともに、両県への更なる投資や人的交流など三地域間における新たな経済圏の構築などについて調査・研究する。